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ダム計画は説明を--下流から声、聞こえてこない 

宮本博司さんのインタビュー記事です

毎日新聞愛知版 2009年3月23日 

この人に聞きたい:元国交省長良川河口堰建設所長・宮本博司さん /愛知

 ◇ダム計画は説明を--下流から声、聞こえてこない
 昨年10月の徳山ダム(岐阜県)の完成に続いて、2月には、豊川上流の設楽ダムの計画提示から36年ぶりに地元が建設に同意するなど、大型ダムを巡る動きが続いている。国交省長良川河口堰(ぜき)建設所長などを歴任するなど、ダム建設の最前線に居続けた宮本博司さん(56)に、日本のダム計画の抱える問題について聞いた。【浜名晋一】

 --国交省時代はダム建設を推進する立場だったわけですが。
 本省にいたころ、全国のダムの計画を作るようなポストにいました。その時は推進の立場だったのですが、その後、90年から93年に岡山県の苫田ダムに事務所長として行って、今まで自分がダムを机上だけで検討して推進してきたということを痛感しました。現場にいた間にダムに対する見方が変わったと思います。その後、転勤したのが長良川河口堰です。そこでも、賛成・反対両派が対立していた。ダムは、水をためる効果はあるけれども、一方で自然環境を変えます。そして、何よりも心が痛んだのが、水没住民の犠牲です。必要なら造らざるを得ませんが、そうでなかったら、中止すべきだと、今は思います。

 --ダム建設では、いったん計画が決まると、「水余り」が指摘されても、強引に推進されるというイメージがあります。

 本来、行政は推進側でも反対側でもないわけです。ところが「行政は推進側」と思われています。そのこと自体が、既に不信感を持たれているということです。なぜ、いったん決まったものは必ずやるのか。個別のダム計画がいったん決まれば、行政は何が何でも推進します。

 --ダムは地元にとっては迷惑施設です。そこで、地域振興などの利益誘導により、理解を得ようという姿勢が目立ちます。

 本来なら受益者の下流の住民が上流の人に対し「どうしても必要だから、ダムを造ってください」という話がないと、一体何のためのダムかということになります。しかし、下流の声はほとんど聞こえてこない。ダム建設の意義を国交省がちゃんと説明できれば、下流の人も納得します。そうなっていないのは、説明責任を果たしていないということです。地域の合意形成ができていない中で計画を推進しようとするから、結局「国交省が造りたいだけ」という話になる。

 --今後もダムを造る必要性はあるのですか。

 昭和30年代から40年代は水道用水が必要でした。しかし今、水需要は減っています。治水でも、洪水対策としてのダムの優先度は低いでしょう。もし、洪水対策としてダムが必要なら、新しいダム計画が出てこないとおかしい。でも、この数年間、新規のダム計画は出ていません。

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 ■人物略歴
 ◇みやもと・ひろし
 1952年生まれ。78年、建設省入省。長良川河口堰建設所長や近畿地方整備局河川部長などを歴任後、06年に退官。在任中は国交省幹部の立場ながら、むやみなダム建設を批判し続けた。現在は京都市で家業の樽(たる)製造業を継いでいる。

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