STOP八ッ場通信9号P5【現地は、今】 

STOP八ッ場通信9
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 八ッ場ダム反対の機運が盛り上がる中、ダム推進側による“地元の要望”を前面に出す作戦が、このところ顕著になっている。
昨年12月、群馬県庁ではダム推進陣営を総動員した決起集会が開かれた。
参加者は、県議会の与党全議員、地元周辺自治体の執行部、水没予定地の役員、そして関東地方整備局の部長、現地事務所長ら国交省職員、副知事をはじめとする県庁職員だった。

 年が明けて1月、地元選出の小渕優子大臣が現地視察を行った。こうしたダム推進の大合唱にもかかわらず、ダムの関連工事は大幅に遅れている。
国交省は本体工事の入札を開始したが、本体着工の前提である付け替え国道・鉄道の建設、水没予定住民の代替地は、完成の見通しが立っていない。
小渕大臣は付け替え国道建設を目指す上信自動車道建設促進期成同盟会の会長でもある。付け替え国道の建設はダム関連事業の目玉として1996年に始まり、来年度完成の予定だが、進捗率は6割に達していない。
しかも進捗率の計算は、着工のみで完成済みでない区間も含むため、実態は5割以下とされる。
工事遅延は地質や計画の杜撰さなどによるものだ。
川原湯では一般住宅の代替地への移転が始まったが、温泉街再建のメドは立っていない。

 「地元はダム推進」といわれるが、地元の状況は複雑だ。現地を見れば、自然が傷ついていることは一目でわかるが、地元の人は「心の破壊」「人間関係の破壊」がより深刻だという。
ダム計画の長い歳月を経て、地元は今や国交省の植民地と化している。

 代々住み暮らしてきた土地、心を育んできた自然を破壊し、悪行のかぎりを尽くすダム行政の只中で暮らしている人々の怒りが表立って語られることはない。
八ッ場にかぎらず、ダムに故郷を奪われた人々の悲しみ、怒りが、その人々自身によって語られたことは、今まで殆どないのではないだろうか。
ダムは憎い、けれども生活が立ち行かなければどうにもならない。
ダムを中止して、その後、国はどうしようとしているのか、野党の政策が見えないのが不安だ、という声をよく聞く。

 計画から57年目にして、八ッ場は大きな転機を迎えようとしている。ダムに関わりがありながら、地元の人々の犠牲に目を向けてこなかった都市住民の側から、ダム中止後の生活再建支援への政治の取り組みを求める必要があると思う。

八ッ場あしたの会 渡辺洋子



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