「利根川水系利根川・江戸川整備計画(原案)」公聴会での公述 

 自民党政権が復活し、人からコンクリートへ逆戻り。国土交通省関東地方整備局は、八ッ場ダム建設のお墨付きを得ようと「利根川・江戸川有識者会議」を再開しました。
ところが、会議で出されたダム懐疑派の意見を無視し、十分な議論もなされぬまま「利根川水系利根川・江戸川整備計画(原案)」を発表しました。
そして、この原案に対するパブリックコメントの募集と公聴会を行いました。
千葉の会からは、2月24日(日)の公聴会に4人、25日(月)に1人参加し、下記の通り公述してきました。



村越啓雄 公述 (PDFファイルが開きます)



「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(原案)」(以下河川整備計画(原案))についての陳述意見

坂倉敏雅 (千葉県柏市)


1 事前に提出した応募用紙に記載した論点は河川整備計画(原案)にそったものですが、その後2回の有識者会議(第8回、第9回)が開催され重要な議論が交わされています。その内容は整備計画(原案)の部分を構成するものであると認識して陳述をいたします。

2 今回の河川整備計画策定の前段をなす2006年から2008年のステージでは利根川水系全体を視野に入れた河川整備計画の策定が予定されていたはずでした。すなわち利根川・江戸川水系、鬼怒川・小貝川水系、霞ヶ浦、渡良瀬川、中川・綾瀬川のブロックに分けて議論を進めるはずですが、今回は利根川・江戸川水系に限定した河川整備計画が提示されました。利根川水系全体を視野に入れた河川整備計画策定作業についての見通しを明らかにしてください。

3 河川整備計画(原案)の策定経過と有識者会議の運営について
 今回の河川整備計画(原案)の策定のために旧聞4回の会議(最後は2008年5月)が開催されています。2009年の政権交代に伴う八ツ場ダム建設にかかわる一連の経緯についてはここで繰り返す余裕はありませんが、河川整備計画の策定を促す(野田内閣の)内閣官房長官の裁定が契機になったことは記憶に新しいところです。有識者会議を2012年9月25日に再開、爾来3回が開会されましたが衆議院解散・総選挙の情勢が明らかになると有識者会議の開会は続けて延期となり、再度の政権交代後の2013年の2月急遽河川整備計画(原案)なる文書が提示されて今回の意見公述の対象とされました。国土交通大臣は早々と(先の裁定に縛られることなく)本体工事着手を言明しています。
 再開後3回の会合は治水対策に係る目標流量の設定、すなわち八ツ場ダムの位置付が主たる論点となりましたが、提起された疑問はタナ晒しの状態で一方的に打切りのまま、今回のパブリックコメントおよび公聴会の開催のアナウンスメントとなりました。直近の第8回(2月14日)第9回(2月21日)有識者会議では改めて以下で触れるダム問題に直接かかわる洪水目標流量の数値設定の方法論について、是とする委員と疑義を提起する委員の間で論議がありました。その論争を聞くものにとっては、その是非についての疑問を禁じえないものでした。同時にこの間の有識者会議の運営において示された関東地方整備局の事務局としての運営の手法と姿勢は、“再度の政権交代を背景とした強権的な行政手法ではないか”と批判せざるを得ないものでした。合意形成の重要な階段の一つとして設定されている有識者会議に参加した有識者委員および関心を寄せた傍聴者を含む市民の信頼を損なうものでありました。

4 河川整備計画(原案)における八ツ場ダムの位置づけについて
 ダム建設についての根拠とし河川整備の目標を年超過確率1/70~1/80とし、その水準に相当する治水の目標流量を基準地点八斗島において17,000㎥╱秒としています。この数値の妥当性については利根川水系の治水関係資料にもとづく疑義、また導出にあたって学術的手法の妥当性についてもなお論争の余地があると考えざるを得ません。もしこの数値をより低水準に設定できれば、治水上ダムは不要となることも考えられます。

●河川整備計画(原案)の補足説明資料(第9回会議)p2に提示されている<洪水調節施設(八斗島地点上流)>なる表で、もし治水の目標流量を14,000㎥╱秒と設定すれば、(吾妻川、烏川・神流(かんな)川および奥利根の)既設ダムの調節容量で十分カバーすることが可能であり、八ツ場ダムの必要性を主張する根拠は失われるはずです。15,000㎥╱秒の設定でも昭和24年のケースを除いて対応が可能です。

●複雑で多数の変動要因のある自然の現象を数値的なモデルで近似した論争では、モデル自体の妥当性やその結果の評価をめぐる意見の相違はあり得ることです。(これらのモデルにより算定される目的事象の数値の振れ幅の範囲はどの程度のものなのでしょうか?)
因みに国土交通省が主張の柱としている日本学術会議による河川流出モデル・基本高水の検証に関する学術的な評価報告(2011年9月)における付帯意見において、“既往最大洪水流量の推定値、およびそれに近い値となる200年超過確率洪水流量の推定値と、実際に流れたとされる流量の推定値に大きな差があることを改めて確認したことを受けて、これらの推定値を現実の河川計画、管理の上でどのように用いるか、慎重な検討を要請する”とあります。

●議論を尽くした結果は受け入れなければなりませんが、その過程について公正な手続きを欠くことは許されません。有識者会議における委員からの問題提起を十分受け止めることなく議論を打ち切り、河川整備計画に盛り込もうとするのであれば、それは有識者会議の存在を国交省自らないがしろにするものではありませんか~? 有識者会議は政策決定機関ではなく、意見を聞く場であるという認識であれば、なお一層十分な議論が求められていると思います。ダムの位置づけについて再検討を求めます。

5 河川整備計画における堤防、河道、調整池等の位置づけについて
 利根川および江戸川における堤防の整備を必要とすると国土交通省が認識している箇所の総延長距離は左岸・右岸を含めて210㎞(整備計画資料からの公述人自身による集計)に及んでいます。河川整備の喫緊の要請として明確な課題である堤防整備などに優先して取り組んでいただきたいと考えます。

6 河川整備のロードマップの大要を示してください
 提示されている整備計画において整備の対象区間および対象期間(概ね30年)は示されました(第3章)。特に洪水、高潮等による災害発生の防止または軽減のための洪水流下対策(堤防整備、河道掘削、江戸川分派、洪水調節容量確保)、浸透・浸食対策、高潮対策、超過洪水対策、地震・津波遡上対策、そして江戸川の内水対策、危機管理対策が掲示されています。事業費予測として概算8,600億円(関東地整)との説明がありました。その配分内訳と施策の優先度も示してください。
 
7 公共事業としての八ツ場ダム計画
●八ツ場ダムの歴史は長い、長すぎたと言うべきです。ダム建設地点の人たちに苦難の道を強いてきた歴史です。(1947年)カスリーン台風がもたらした利根川流域の洪水被害を契機として、洪水調節を行うダムを利根川上流に建設する計画がつくられ、その一つとして(1952年)八ツ場ダムが構想されました。一旦立ち消えになったダム構想が1960年代の高度成長期の首都圏の生活用水および工業用水の供給をまかなうため、(1965年)治水と利水用多目的ダム構想として再登場しました。爾来半世紀、その間、ふるさとの喪失に反対する人たちの運動は、国策を楯にした国と県の力の前に終息し、(1985年)ダム建設を柱とする地元再建プランが策定されました。しかしその後のダム建設の計画と地域の再構築のプランは順調に進捗してきたのでしょうか?

●基本計画は3回にわたって変更され、工期は当初予定の2000年度から、2010年度、さらに2015年度までに、建設費推計は2,110億円から4,600億円へと変更されました。
地域を支える人が流出し、地域社会が再構築できるかどうかが疑問視される状況が進んでいます。
加えてダム完成後の貯水池周辺の地すべりの危険性もつとに指摘されています。
基本計画の再度の変更もやむなしと想定される事態になっています。

●今回策定しようとしている河川整備計画(原案)に盛り込まれたダム計画は、
上に触れたような半世紀以上におよぶ事実上の経緯があります。そのダム計画がはらむ重さが、今回の河川整備計画の策定に抜き差しならぬ桎梏となっているのではないかと考えざるを得ません。初めにダムありき、よってそのダム計画を正当化しない河川整備計画はあり得ないということではないのかと~?
ダム建設計画が河川整備計画をゆがめたものにするようなことがあってはならないはずです。

●今回、ダム問題を考える機会をもち、こころの底で覚える痛みがあります。それは国交省の計画を受け入れてダムの完成を待っている地元の人たちのことです。そのことをもって私たちの主張を取り下げることはできない、致しませんが、このような地域に苦難を強いる公共事業は二度と繰り返してならないことを訴えて陳述を終わります。

●なお河川環境整備については時間がなく触れることができませんでした。
パブリックコメントに譲りたいと考えています。

(了)




利根川水系利根川・江戸川河川整備計画(原案)に対する意見

服部かをる


 まず、「有識者会議」のあり方、進め方に大変問題があると思います。9月25日に再開されましたが、1~2週間に1回開催し、一回の時間が2時間という強行スケジュールです。こんな拙速なやり方でいいのでしょうか。しかも途中で、予定していた会議を9回も中止しました。委員の方々は、やりくりして何とか確保した日程を突然キャンセルされ、さぞ大変だったことと思います。
 私は、「有識者会議」を4回傍聴しました。この会議にダム懐疑派の委員が入り、少しはまともな議論が展開されるのではないかと期待しました。実際、数人の委員から、もっともな疑問、意見、提案が出されましたが、それに対して、きちんと取り上げ、十分に議論をするということがなされていません。本来、座長が、出された問題を整理し、議論を促すべきですが、事務局任せで、役割を果たしていません。それどころか、「この会議は、学識経験を有する委員の皆様方からご意見をお聞きする場です。何らかの決定を行っていただく場ではありません」という事務局のことばを一緒になって繰り返すばかりです。これでは、会議をやる意味がなく、時間と労力と税金の無駄遣いです。国の会議というのは、これが当たり前なのでしょうか?国交省の職員の方々もあの場に大勢待機していますが、このような会議の進め方はおかしいと思っている職員もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、出された問題の検討もされず、中途半端な状態のままにもかかわらず、「整備計画原案」が突然出されたことに驚きましたし、納得できません。そして、この「原案」には、せっかく出された意見が全く反映されていません。
アリバイ作りの会議はやめ、「有識者会議」のあり方を変えて民主的な運営をし、ダム建設ありきではなく、実現可能な対策について充分時間をかけ議論し、整備計画をつくり直すよう求めます。その際、本当に住民の安全を考え、また後世に悔いを残さないようにと真剣に考え、参加している委員の意見に耳を傾けてください。 
今までに、いろいろな意見が出されました。例えば、
「会議は2時間ではなく、4時間ぐらい使って議論したい。災害対策はどうあるべきか議論したい」「河川工学に限定し、治水安全度という特定の数字にこだわることのリスクがあるのではないか。真の安全性を確保するには、多様な対策が必要。もっと柔軟にいろいろな英知を集めて議論すべき」「目標流量を設定してから計画策定することに反対である。治水のあり方を根本から考えるべき」「利根川本川だけではなく、水系全体を含めて議論すべき」「貯留関数法も総合確立法も問題がある。60年の観測データがあるのだからその流量を基に目標流量を出せばよい。森林の保水力を考慮すべき」「2040年にはメンテナンスだけで新規事業はできない。時間と財政に制限がある中で、30年でできることが本当にダムなのか議論すべき」「資料として出されている洪水氾濫図は、溢れていない所を溢れているとしている。非科学的な資料であり撤回せよ」等々です。素人にもわかりやすい、説得力のある意見です。どうか無視しないでください。
 
 次に、ヤマトシジミとウナギについて述べます。原案を見ますと、環境については、「河川環境の整備と保全に関する現状と課題」「同目標」「同事項」と3か所ありますが、ヤマトシジミが生息しているという記述のみで、ヤマトシジミとウナギが激減している事実とその原因についての記述がありません。
 先日、研究者のお話をうかがいました。ウナギはとうとう絶滅危惧種になってしまいましたが、利根川水系では、最盛期には約1000tだった漁獲量が2010年にはわずか16トンと最盛期の0.5%に減少したとのことです。原因は、ダム建設と考えられ、利根川水系のダム累積数と漁獲量との間には高い相関関係が認められ、漁獲量減少率はダム1基につき15%だそうです。決して乱獲が原因ではありません。
ヤマトシジミはかつて全国一の生産量を誇り、1970年には利根川水系の漁獲量は、霞ヶ浦を合わせて41500t(全国の74%)だったが、2010年はわずか5tしか獲れなかったそうです。ヤマトシジミの減衰傾向はウナギと一致しています。シジミは河口堰やダムのない所でも減少していることから、河川湖沼開発事業全体が、ウナギをはじめとする水域での生産に影響を及ぼしてきたことになるとのことです。以上申し上げたことも、きちんと認識し、事実として原案に記述すべきと考えます。また、地域の現状をよく知っている研究者や市民団体の方々と一緒に対策を考え、計画に盛り込むべきです。
講師の方は「河川湖沼の開発は、生物多様性を破壊しつくした。治水効果のメリットと生物多様性損傷等のデメリットを評価したうえで、河川整備計画が策定されなければならない。事前・事後の生物多様性影響評価が必要だ」と発言されました。是非ともそのようにしていただきたいと思います。



・八ッ場 公述

千葉県佐倉市 中村春子です。
利根川水系河川整備計画(原案)策定のための利根川・江戸川有識者会議を傍聴し、余りの公正さを欠く会議の進め方に、ただただあきれました。委員の質問に真摯な答えも出さないままのこの整備計画原案は、正当性のあるものとは認識できませんが、以下、利根川水系河川整備計画(原案)について、私の意見を述べます。

(1)私は2006年から2008年にかけての有識者会議を傍聴いたしました。2006年12月18日の第2回利根川・江戸川有識者会議で、関東地方整備局は「意見を聞いて原案を修正し、その修正原案について再度意見を聞き、そういったことを何回か実施して、河川整備計画案を取りまとめる」と言明しています。
公の場で責任者が言明したことについては、当然のことながら実行されなければなりません。1997年の河川法改正にあたり、関係住民の意見反映について国交省河川局長は、国会の質疑でも「関係住民の意見を言いっ放し、聞きっ放しというのでは全く意味がない」「河川整備計画には関係住民の皆さん方の意見を反映していくと考えている」と答弁しています。当時の河川局長の答弁に対して、今の河川管理者は、この河川整備計画に私たち関係住民の意見を反映させる責務があります。
1997年9月、衆議院建設委員会でも、今述べた通り政府委員が答えています。今後の利根川河川整備計画の策定において、この約束をどのように守っていくのか、明らかにすべきです。いかがですか。

(2)利根川本川と支川は相互に関係しているにもかかわらず、なぜか今回は本川だけの計画です。2006年11月から2008年5月に行われた利根川水系河川整備計画の策定作業では、利根川水系を利根川、江戸川、支川の鬼怒川、小見川、霞ヶ浦、渡良瀬川、中川、綾瀬川の5つのブロックに分け、各々に有識者会議を設置しています。しかし、その後、理由不明のまま中断されていますが…。
 なぜ関東地方整備局は、本川関係だけを審議する利根川・江戸川有識者会議の開催だけで終わらせようとしているのですか。
 支川も含めての整備計画策定となると、準備等、長い期間を要することになり、本川だけでごまかして、八ッ場ダム本体工事着工の条件をクリアしようと画策しているかのようです。非常に卑劣なやり方であるとしか言いようがありません。
 4年ぶりに開かれた今回の策定作業で示された整備計画案は、2006年案と大きく変わっています。治水安全度は1/50から1/70及び1/80、治水目標量15000㎥/秒→17000㎥/秒、その他、河道対応流量は13000㎥/秒から1000㎥/秒の増、ダム等による洪水調節量約2000㎥から1000㎥増の3000㎥/秒です。すべて八ッ場ダムを位置づけしやすくするための数字の引き上げでと考えます。有識者会議の中で、治水目標量の是非、この計算の洪水流出モデルはきわめて過大な流量を算出するもので、不自然なものであると指摘されていましたが、科学的な論拠のある答弁はありませんでした。
 大事な指摘は平然とすり抜け、あげく「有識者会議は議論の場ではない。意見をお聞きする場である」と、繰り返し事務局は言っておりました。これが、国が住民の命を守るための河川整備計画策定の場の発言でしょうか。「何でも言わせておいて、あとは整備局側の思うようにする」との思惑が透けて見えていました。納税者として、この会議のあり様を是認することはできません。
 計画案の事業内容を見ますと、八ッ場ダムの残事業費を含めて8350億円を要すると算出しています。八ッ場ダムだけでも、地すべり対策など、増額は必至です。2009年度の国土交通白書では、過去に作った社会資本の維持管理費、更新費が次第に増加し、2037年度には投資可能額に達してしまうことが記されています。このままでは新規事業どころか、維持管理費、更新費用さえ不足するのではないでしょうか。湯水のように、巨額な予算を役立たない事業に無駄に使うのではなく、住民の安全を守るために治水対策を厳選すべきです。
 この河川整備計画案は、次の世代に負の遺産と借金ばかりを残すものであり、優れた仕事であると評価することはできません。もっと真摯に現実と向き合い、計画案をやり直してください。環境を破壊するのではなく、美しい環境と豊かな自然を次世代に残せるよう、日々の生活の中で現実と向き合っている住民と協議してください。
 最後に一言申し添えます。
 私たちは流域住民として、また未来の子どもたちに責任を持った生き方をしたいと有識者会議を傍聴してきました。しかし、関東地整の余りにも非民主的、理不尽な、不誠実な会議の進め方に、思わず抗議の声を上げました。人間として当たり前の行為なのです。その度に「進行の妨げになりますので…」と注意があり、傍聴の市民を不審者を取り囲むように居並ぶ職員が駆けつけ、「出てもらいます」と警告に来ていました。進行の妨げをしていたのは、関東地整の不誠実な会議の仕切り方そのものであり、宮村座長の局側の意向に沿った采配ぶりが目に余ったからなのです。主権者は市民ですよ。今後、この様なことがないように…。



武笠紀子 公述

1、ダムに偏る治水は検証すべし

利根川水系に数多く造られたダムが、現実に治水に果している役割が検証されていない。同様に建設予定のダムが治水に役立つかどうかの科学的検証も明らかでない。建設計画があったのに中止になったダムの治水についての検証もない。その上八ツ場ダムの治水効果についての考察は杜撰である。

2、洪水域について嘘(虚偽の数値)をついた。

八ツ場ダム建設のために、嘘をついて洪水地域を広げた事実が明らかになったにも関わらず、きちんと謝らない。責任をあいまいにしたまま別の数値を出してきて帳尻を合わせようとした。これでは、他の根拠とされる様々な数字も信用できない。


3、江戸川左岸が心配。スーパー堤防は実現性がない。

私は江戸川左岸の松戸市に住んでいる。左岸堤防が気になるが、ダム建設に頼る治水では堤防の補修に予算がまわらない。堤防は日頃のメンテナンスが大切である。実際に堤防が漏れている場所があると聞いている。笹子トンネルの事故のようにメンテナンスにお金をかけないと大きな災害につながる。堤防の点検にも多額の人件費がかかるだろう。しかしスーパー堤防は止めるべきだ。見学したことがあるがほんの一部が出来ているだけ、これ以上は物理的にも金銭的にも実現性のない計画である。


4、東京中心の治水ではなく、全ての地域の治水を考えるべき

先程も言ったが、私は江戸川左岸の松戸に住んでいる。他の計画でも見られるが、地方(東京以外)を犠牲にして首都東京だけを守ろうとするのは許せない。江戸川については、東京がわの右岸堤防は強化しているらしい。そして東京を守るために、中川や荒川からの巨大な水路を造って洪水を江戸川へ流し、千葉県側へ洪水を起こすとも聞いている。本当だとは思いたくないが疑わしい。この計画でも東京中心の考え方がとられている。地方のことも同様に考慮すべきだ。

5、一部の河川だけではだめ、支流全てを考慮すべき

 関東平野を流れる利根川水系には江戸川以外にも関連している河川は多い。全ての支流を河川整備計画に入れなくては治水とはならない。江戸川だけではどこの地域の治水を考えているのか?やっぱり東京のことだけなのかと思ってしまう。利根川に関わる全て地域の河川も計画に入れるべきだ。

6、八ツ場ダムは千葉県には負担ばかりで治水メリットがない

利根川水系の最下流の千葉県では八ツ場ダムによる治水効果はわずかなものである。しかし、根拠もはっきりしないのに治水についての負担金を求められている。千葉県の財政は厳しい状況にあり、必要ないものに支出する財政的余裕はない。

7、公共インフラの老朽化問題はダムや堤防にもある

先程述べた笹子トンネル事故ではないが、日本の公共インフラの老朽化は深刻な問題である。メンテナンスにも更新するにも莫大なお金がかかる。これ以上公共施設を増やせばさらにその費用は増える。更新出来ずに崩壊するダムなどがでるかもしれない。人口は減り、高齢者が増えてこどもが減り続けている。労働人口・生産人口が今後さらに減少していくことは明らかで、アベノミクスなどと言ってもこの現状は変わらない。負担を将来へ押し付けてはならない。

8、優先順位を考えよ
ダムか堤防かの優先順位もあるが、他の視点でも考えてほしい。
「河川整備計画」作成の過程で、河川計画課と有識者会議のメンバーの考えより、流域市町村や流域住民の意向(パブコメや公述)、特に科学的データを示して指摘している専門家の意見を優先させるべきである。特に専門家については、有識者会議に参考人としてよんで話しを聴く姿勢がほしい。
国民は、3.11以降、全国に54基の原発があることを知って驚いた。私は「脱ダム」が話題になった時に、ダムが全国に驚くほどたくさん作られていることを知った。しかし、まだダムが大きな事故をおこしてないため、一般国民にはダムが異常に多い事実はあまり知られていない。
 これからの日本(河川整備)を良くしようと考えているのは誰なのか。最後に責任を持ってやるのは確かに河川計画課の方々である。しかし無償で社会の問題として取り組んでいる人々の意見(パフコメや公述)も必ず計画に取り入れてほしい。互いに協力して良い計画が作られればと思う。

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