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利根川の渇水(「八ツ場あしたの会 事務局だより」より転載) 

事務局だより : 利根川の渇水
2012年9月5日

 残暑が続く中、利根川の渇水が新聞、テレビで大きく取り上げられ、利根川上流の矢木沢ダムの湖底が露出した映像が放映されています。
 これを見た人の中には、「やっぱり八ッ場ダムは必要なんじゃないか」と思う人もいるようです。

 こういう時は、マスコミが何を報道し、何を報道しないのか、実際はどうなのかをまず把握することが大切です。

 国土交通省のホームページには、利根川水系8ダムの貯水率や過去の渇水のデータなども掲載されています。
http://www3.ktr.mlit.go.jp/tonedamu/teikyo/realtime/data/html/Page1.html
 矢木沢ダム、奈良俣ダム、藤原ダム、相俣ダム、薗原ダム、下久保ダム、草木ダム、渡良瀬貯水池

 上記ホームページを見ると、利根川水系8ダム全体の貯水率が40%(9月4日現在)であるのに対して、矢木沢ダムは5%で極端に低くなっています。下久保ダム、藤原ダムは70%の貯水率で、ダムによって貯水率がかなり違うことがわかります。

 同じ利根川水系でも鬼怒川水系の3ダムのデータは、こちらで見られます。
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000112.html
 五十里ダム、川俣ダム、川治ダムの現在の状況
 
 鬼怒川系3ダムは貯水率が73%です。 

 東京都水道局のホームページには、東京都の水源である利根川水系、荒川水系、多摩川水系の各ダムのデータが載っています。
 荒川水系4ダムは68%、多摩川の小河内ダムは83%であり、他の水系は余裕があります。 
 http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/suigen.html
 荒川水系ダムー浦山ダム、荒川貯水池、滝沢ダム、二瀬ダム
 多摩川水系ダムー小河内ダム(貯水池)、村山・山口貯水池

 荒川水系の二瀬ダムは貯水率が0%となっています。これは二瀬ダムが洪水調節の役割のために、ダムの水を放流し、台風シーズンに備えているためで、例年通りの状況です。 

 一昨日、9月3日に国交省では利根川水系渇水対策連絡協議会幹事会が開かれ、その結果が関東地方整備局のホームページに掲載されました。
 http://www.ktr.mlit.go.jp/saigai/kyoku_dis00000063.html
 
 今後のことについては、「今後も少雨傾向が続いた場合、利根川上流8ダムからの補給は更に続くものと予想され、かんがい期における農業用水及び都市用水の需要が継続する状況下において、現在のダム容量を有効に使うとともに、必要に応じ取水制限等の対応を実施しなければならない事態も考えられます。」

 と書かれており、今しばらく様子をみるようです。

 その理由は、9月に入って農業用水の取水量が大幅に落ち込んでいること、そろそろまとまった雨が降る可能性が高くなっていることにあると思われます。

 渇水について問題とすべきことの一つは、ダムから下流への補給が適切に行われたのか、過大な放流でダム貯水量を必要以上に減らしてしまったのではないかということです、

 随分前の渇水ですが、1987年渇水、1994年渇水では、ダムの過大放流が問題になりました。

 以下のグラフは、ダム貯水量、ダム補給量、利水基準点「栗橋」の流量を7月1日~9月2日の期間について整理したものです。

2012_tonegawa_graph_20120922162651.jpg

(画像をクリックすると原寸大で表示します)



 これを見ると、8月前半は栗橋(埼玉県、利根川の利水上の基準点)の流量が、確保すべきとされている正常流量を大きく上回っているときもダムから補給が盛んに行われており、やはりかなりの過大放流があったのでないかと疑われます。
 この正常流量そのものも過大に設定されていて、ダムの過大放流を促すようになっています。

~~~

 上記の説明文の中で使われている用語(ダム補給量、栗橋)について、ご質問が寄せられましたので、説明を補足します。

【ダム補給量とは・・・】
 ダム補給量はダムの貯水を使って下流に補給した量を意味します。ダム補給量=ダム貯水量の減少量です。
 ただし、ダム貯水量の減少量がマイナスの場合(貯水量が増加する場合)はダム補給量はゼロです。
 上記のとおり、ダム補給量はダム貯水量から計算します。ダム貯水量は水文水質データベースに掲載されています。

【利根川の利水基準点は、なぜ埼玉県の栗橋なのか?】
 利根川の治水の基準点は八斗島(群馬県伊勢崎市・やったじま)ですが、利根川の利水の基準点は栗橋になっています。(下図参照)
 利根川水系河川整備基本方針の正常流量は栗橋で設定されています。
 ダムとの関係を見ても、利根川水系8ダムのうち、草木ダムと渡良瀬貯水池は渡良瀬川にありますので、渡良瀬川が利根川に合流した後の栗橋を基準点にする必要があります。

     【利根川流域図】

tonegawa-map_20120922163032.jpg

(画像をクリックすると原寸大で表示します)


 ~~~

 上記の記事の続きを「利根川の渇水」(取水制限)として以下に掲載しています。9月になると取水量が急減する農業用水が渇水を考える上でのキーワードであることを指摘しています。こちらも合わせてご参考になさってください。
 http://yanbachiba.blog102.fc2.com/blog-entry-226.html

☆ 矢木沢ダムについて、利根川のダムの歴史を研究してきた梶原健嗣さんがブログでわかりやすい解説記事を連載しています。
 http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1715

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