八ッ場ダムができると、吾妻川での発電量が大幅に減ってしまう? 

嶋津です。朝日新聞群馬版5/11の記事をお送りします。八ッ場ダムができると、吾妻川での発電量が逆に大幅に減ってしまうという記事です。

2年前に、東電への減電補償額を減らすために、八ッ場ダムに併設される予定の群馬県の八ッ場発電所の放流水を東電の発電所に送水する導水管の敷設構想が記事になったことがあります。しかし、これがどこまで現実性のある話なのか分かりません。

八ッ場発電所は従属発電といって、流量維持や利水補給などのためにダムから放流した水を発電にも使うというものです。八ッ場ダムから放流される水量は通常は流量維持の毎秒2.4トンだけですが、この毎秒2.4トンは吾妻渓谷など、吾妻川の流量維持のために流すべきものですから、東電の発電所に送ることはできません。

渇水時にダムから利水補給のある場合は、八ッ場発電所に毎秒2.4トンを上回る流量が流れますので、上回る分を東電の発電所に送ることができますが、普段は、八ッ場発電所から東電の発電所への送水はないということになります。

八ッ場ダムが満水の場合も毎秒2.4トンを上回る流量が流れますが、その場合はオーバー分のうち、発電に必要な分を従来の水路経由で東電の発電所へ送水すればよく、導水路を使う必要がありません。導水路は建設する意味がどこまであるのか、よくわからない構想なのです。

このように八ッ場ダム経由と現状とでは水が流れ方が全く変わってしまうので、東電の減電の問題は導水管の敷設で解消できることではないように思います。

ダム湖貯水で水量減少 水力発電能力は低下
朝日新聞群馬版 2011年05月11日

(写真)上流からの水をためている東京電力の鍛冶屋ダム。ここから松谷、原町、箱島などの発電所へ水が送られる。=東吾妻町の岩櫃山周辺

東日本大震災による電力不足への懸念とともに、建設するか検証中の八ツ場ダム(長野原町)で計画されている水力発電への関心も出てきた。ただ、ダム計画は下流域で水力発電に使ってきた水を減らす前提で成り立つ。ダム建設で、吾妻川水系の発電能力はむしろ低下する見通しだ。

八ツ場ダムは2008年の計画変更で、治水と利水が主だったダムの用途に発電が加わり、県企業局が発電所をつくることになった。流量の維持や洪水調整、利水の補給のために放流される際にのみ水を使う。

県によると、最大出力は一般家庭4千世帯分にあたる1万1700キロワットを予定している。

「電力不足のいま、発電もできる八ツ場ダムの必要性は高まった」。ダム推進派からはそんな声が出る。

だが計画では、ダム湖に水をためる代わりに、既存の水力発電所を動かしてきた水を減らす。

ダム予定地下流の東吾妻町や渋川市には、東京電力の川中、松谷、原町、箱島、金井、渋川の6カ所の水力発電所がある。大正時代から戦後復興期に運転を開始した6発電所の最大出力は計11万3200キロワット。ダム予定地上流の吾妻川や白砂川から取水し、本川とは別の導水路を経由させた水を利用している。

この発電用の取水とダムの関係について、04年12月、政府は「(八ツ場ダムの)必要な水量を確保するため、東電に対する減電補償を行い、これまで水力発電に使用されてきている吾妻川及び白砂川等の河川水の一部を貯水池(ダム湖)に流入させることとしている」と、共産党議員の質問主意書に答えている。

導水路を流れている水は最大で毎秒30トン。ダム予定地直下の吾妻川(東吾妻町岩島)での国土交通省の03年の観測では、流量はおおむね毎秒0・79トン~11・73トン。本川の3~30倍程度の水が発電に使われていることになる。

発電用の水をどの程度、ダム湖に回すかはっきりしないが、水力発電所の発電能力は低下する。国が東電に支払う減電補償金は数百億円規模との指摘も出ている。

水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表は「年間発電量の試算では、八ツ場ダムが出来て発電するようになっても、その5倍の電力が失われる」と指摘している。

今のところ発電所計画はダム本体工事と連動して止まったままだ。(菅野雄介)

http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581105110001

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