千葉裁判、結審報告 

6月23日、結審となった千葉裁判について、以下のとおりご報告します。


10時30分から始まった法廷は傍聴席はほぼ満席となり、数名の新聞記者の姿もありました。
この日のために裁判員裁判用の201号大法廷が用意され、傍聴席は90席ほどでした。

初めに裁判長から原告・被告双方からの提出書面の確認があり、その後、原告側の最終準備書面に基づく陳述が行われました。

千葉の最終書面は8分冊、総ページ数463からなる力作が提出されました。
裁判所からあらかじめ1時間の枠が与えられ、千葉オリジナルの部分を中心に陳述を組み立てました。

最初は、武笠さんが原告を代表し、提訴に至った思い、裁判過程における被告千葉県の 不誠実さ、国の言いなりになっている問題などについて、堂々と指摘しました。
後半では今後のさらなる工期延長や事業費増大の可能性、現地の関連事業や国会で進められている生活再建法案にも触れ、千葉地裁での判決に希望を託すと訴えました。

続いて、弁護団5人による陳述です。
トップバッターは、拝師弁護士。淡々とした語り口で財務会計行為論を展開し、千葉地裁三番瀬ヤミ訴訟における「是正可能性」の法的枠組みを念頭に、H20年1月の 最高裁判例から本件訴訟においても「是正可能性を十分肯定できる」と結論づけました。

具体的には、「国からの治水負担金を求める納付通知が無効とまで言えないとしても、 千葉県に治水上の必要性がないことから、納付通知を撤回させることが客観的に可能で あった」と主張しました。

続いて、島田弁護士は県水道局の水需要予測の過大性について言及。八ッ場ダムありきの水需給計画にするために当局がいかに整合性のないことをしているか、H13年予測とH20年予測についてパワーポイント画面でデータを映し出し、とても分かりやすく説明しました。

H20年予測では大幅な下方修正がされているが、それを可能にしたのは国が突然持ち出してきた
「2/20渇水年における供給可能量の低下」という新たな理屈であるとのこと。
つまり、20年で2番目の渇水年には上流ダムからの供給水量が約86%に低下するため、 保有水源が減ってしまい、依然として八ッ場ダムが必要だということになります。
国はこの理屈の根拠を示していませんが、水需要が減り続ける千葉県にとってはまさに「渡りに舟」。
利水の証人となった県の担当課長3人は前列に座っていましたが、これらの説明を聞くうちにふんぞりかえったり睨み付けるなど、明らかに態度が悪くなっていました。

そこに続けて、山口弁護士が県全体の長期水需給計画と県工業用水の過大予測とその欺瞞性について陳述。被告がマジックワードとして多用している「安全サイド」を逆手に理詰めの反論をしました。
昨年9月16日の法廷では、H13年策定の水需要計画に基づいて利水の証拠調べが行われ、 県の利水担当者が証言台に立ちました。
その一方、県は同じ9月に新たな水需給計画を策定していました。しかし、そのわずか数ヶ月前の
7月に閣議決定された国の第5次フルプランに県は最新データが盛り込まず、H13年予測値を反映
させていました。
このような県の作意が明らかにされ、担当職員はぐうの音も出ないといった印象でした。


4番目は及川弁護士が登場。大法廷に響く大音量で治水の陳述が始まると、被告席の担当課長らは
ハンカチで耳を押さえるなど不快感をあらわにし、その迫力に傍聴席も圧倒させられました。
「…であるから、八ッ場ダムへの負担金支出は違法である」と数回にわたって強調し、 被告にとっては、まさに耳の痛い話となりました。

ラストは、中丸弁護士。ダム建設予定地である吾妻渓谷の自然、そこに暮らし続ける人々、動物、植物に対する思いが静かに語られ、2兆5千億円もの借金を抱える千葉県がなぜこの無駄な事業から撤退できないのか、問いかけました。そして、次世代への負の遺産を軽減するために、八ッ場ダム事業をストップさせることが、この国の公共事業のあり方の転換点となる。幸いにも今ならば過ちを正すのに遅くはない。司法に託された崇高な使命に基づいて事実を直視し、厳正な判決を下されるよう切望すると締めくくられました。

千葉地裁での判決は、12月22日(火)午後1時10分に決定しました。

今回は陳述の機会がなかった弁護団長の菅野さん、広瀬さん、植竹さん、近藤さんにも、 4年半にわたって、大変お世話になりました。
弁護団の皆さん、そして嶋津さんのご尽力に心から感謝いたします。

以上、長文になりましたが、取り急ぎ、ご報告します。

千葉の会事務局
 入江晶子

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