八ッ場ダム住民訴訟 その経過と展望2 

2005年の活動とこれから

八ッ場ダムをストップさせる千葉の会は、県民1337人の住民監査請求人をもってスタートしました。

千葉県民からは、過去2回、八ッ場ダムの建設阻止を求めて提訴がありました。
この関心の深さを背景に、'04年8月に、あらたな提訴にそなえて「緊急学習会 八ッ場ダムを考える」を開き、千葉県の担当職員から「千葉県の水政策」について聞き、監査請求の意味と今後の展開を議論しました。

2002年11月、住民監査請求を提出、そして監査委員への陳述には多くの市民が参加者しました。特に陳述の際に、入場者数と録音の可否をめぐって監査委員と紛糾するなど、後の波瀾を予想させる会員のハッスルぶりでした。

しかし残念ながら、住民監査請求は却下されました。これに対して訴訟原告を募集しましたが、51名もの参加者を得ました。訴状参加に遅れた4名は、同様の訴状で別に提訴するハプニングがありましたが、その後、訴状の取下げを受け、八ッ場ちば、一体になって闘っています。

弁護団は、統一弁護団35名で提訴しましたが、日常の弁護活動は、千葉県の強力な弁護団10名で行っています。

八ッ場ダムをストップさせる千葉の会は、裁判を弁護団にお任せにしないように、県民へのPR活動を行ない、また、まだ埋もれている情報の発掘?のために学習会を続けています。

学習会では、①公共事業再評価 と ②包括外部監査、の二つが正しく行われているか、検討の過程と評価の結果を検証しています。

公共事業再評価では、水道水源についてですが、千葉県の再評価で「費用便益比が1.67」になっています。この費用と便益の算出には納得できないので、独自に算出し対案が準備出来ないか検討中です。

包括外部監査では、外部監査人も、水あまりを指摘しています。われわれも指摘の内容の検証を続けます。

さらに、利水の経費には、ダム建設事業費など水源を確保する経費に加えて、水を利用する経費が必要です。そのため多くの施設が建設中であることが指摘されています。この経費も含め費用便益比を検証する必要があります。

これらの検証の結果を、裁判に反映させていきたいと考えています。

最後に一言付け加えれば、市民運動は・・楽しくなけりゃ やってらんない、の心意気で頑張っています。(2005.11.27)

第4回裁判の記録 

日時:2005年11月18日(金)11時~12時
場所:地方裁判所 301 法廷    
集合:10時半 千葉地裁玄関前集合して入廷します。

  次回は原告の論告が行われ核心に入ります。多くの人が傍聴し、
  市民の関心の高さを示しましょう。前回同様 裁判の後、説明会を開き
  裁判所でのわかりにくいやりとりの解説、そして意見交換が行われます。
  場所:県ネット事務所  1時間くらい(みなさん参加されますのでご一緒にお出で下さい)
  内容:弁護団からの説明、意見交換、各地の状況報告

第4回裁判記録 

 第4回口頭弁論は、午前10時30分からの進行協議終了後、11時に始まりました。裁判長から原告・被告双方が提出した書面等の確認があり、被告代理人である伴弁護士が準備書面(5)の要旨説明を行ないました。

被告側の主な主張は、以下のとおりです。

 ①原告適格がないのに、住民訴訟を使って争うのはおかしい。本来、政策の当否を争うのであれば、地方自治法75条の事務監査請求(選挙人の1/50の請求必要)ですべきである。

 ②本件財務会計のしくみは複雑であるが、最高裁がいう法規上の義務違反は出てこないし、また財務会計法規上の義務違反であるという主張が今のところ原告側から出ていない。

 ③千葉県に損害は発生しない。ダムの必要性と財政の損害はむすびつかない。

 ④不必要である旨の主張はそれ自体財務会計法規上の義務についての主張ではなく、千葉県に発生する損害と因果関係のある主張ではない。

 伴氏は「事業主体は国であり、あなた方原告のやっていることは筋違いですよ」と自信満々で語りましたが、その主張は論理的とは思えず妥当性は全く感じられませんでした。裁判終了後、伴氏がほぼ満席に近い傍聴席をまじまじと眺めている様子を目にして、こんなことで良心の呵責を感じないのかなと思いました。 次回裁判は、06年2月17日の午前10時から進行協議、10時20分より口頭弁論です。(傍聴は10時20分からです。)

 裁判終了後、中丸弁護士から本日の裁判に至る経過と今後の進行についての説明がありました。

①次回裁判では治水上、八ッ場ダムが不必要であることをパワーポイントを使って説明したい

②被告側が求める財務会計上の義務違反の主張については少し時間をかけて順次出していく

③ダム負担金等の支出の原因行為とダムの違法性をどのようにつなげるか、ハードルが高く難しい

会場から裁判期間の見通しについての質問があり、菅野弁護士から「2年前に成立した裁判迅速化法もあり裁判所は早く終わらせたいだろうが、来年6月以降、証拠調べに入るとしても2年は審理に必要な期間と考えられる。裁判の実体審理(本論)に入ることを目標に取り組んでいく」との話がありました。

後半では川辺川利水裁判に関するドキュメント・ビデオ「ダムの水はいらん!」を上映しました。地元農民が不必要といっているのに、ダム建設に地元の要請があるかのような文書を作成する役所関係者の姿がリアルに捉えられていました。