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八ッ場ダム住民訴訟 その経過と展望1 

 群馬県長野原町に建設中の八ッ場ダムは、首都圏の水がめと洪水対策のため国土交通省が1986年に計画し2000年の完成を目指しました。それ以来20年、現地住民には住居の移転計画や周辺工事などにより将来設計が破壊され、生活環境がめちゃくちゃになるなどの苦しみを与えられ続けてきました。
  一方、ダムの事業費は2,110億円が2003年11月、突然に2.2倍にも値上げされ、総事業費4,600億円、周辺工事費や利息を含めると約8,800億円となり、国と関東各都県が負担しあう計画が公表されました。
自治体の財政難は、東京・埼玉・千葉・群馬・茨城・栃木の6都県に共通の課題です。しかし、知事たちは独自の調査もせず、国の言いなりに増額を認め、都・県議会も十分な議論もなく、これに同意してしまいました(千葉県は2004年2月議会で決定)。

  2002年11月、千葉県民174名が千葉県に負担金の賠償や今後の支出の差し止めなどを求めて住民監査請求しましたが、2003年1月に棄却されました。2004年3月、県民1名が同様の住民監査請求を行い、同様に棄却されました。
  2004年2月、市民ネットワーク千葉県が、八ッ場ダム事業費倍増案を県が受け入れを表明したことを受け「外部有識者を入れた慎重検討」を県に申し入れ、同月、千葉県自然保護連合など4団体がダム計画の「見直し、中止」の要請書を知事に提出しました。

  地元群馬県、埼玉、東京、千葉など、環境問題や消費者団体などの市民団体が学習会や研究会を重ねてきましたが、この間に、市民オンブズマンと共同して対応することが提案されました。
 2004年3月、八ッ場ダム住民訴訟準備会が開かれ、八ッ場ダムを考える会、日本消費者連盟、水源開発問題全国連絡会、首都圏のダム問題を考える市民と議員の会、全国市民オンブズマン、学者やジャーナリストなどの各界の市民が参加し、「各都県の納税者の立場で、ムダな支出は止めてほしい」という視点で運動し、強力な弁護団で住民訴訟を戦っていくことになりました。

 2004年9月10日、6都県で約5,400人の住民が一斉に住民監査請求を行い、千葉県では八ッ場ダムをストップさせる千葉の会を結成し、会員1, 337名で請求しました。残念ながら監査委員は本来のチェック機能を果たしたとはいえず、無責任にも次々と却下・棄却の結論をだしました。

  2004年11月、監査請求結果の出された時期に応じて、各知事や水道事業管理者などを被告に、6都県で住民訴訟が提訴されました。千葉県では51名の原告、35名の代理人(弁護団)によって、11月29日に提訴しました。
  訴訟は統一した内容で行い、骨子は次のとおりです。
① 水需要が飽和状態に入って利水の必要性がなくなっている。
② 利根川の洪水対策として役に立たない。
③ 地質が脆弱なので、災害を誘発する危険性が高い。
④ 関東の耶馬溪「吾妻渓谷」を台無しにし、イヌワシ等の生息を危くさせる。
⑤ 国民の総負担額は約8,800億円にもなり、千葉県の負担は約760億円が見込まれ、千葉県の緊縮財政下で、負担に耐えられない。

  八ッ場ダム住民訴訟は、日本の公共事業を根本から問い直す、初の広域訴訟です。各地で活動してきた市民や、市民オンブズマンと共に、利水・治水・地質など各方面の専門家と、住民訴訟や環境訴訟の豊かな経験を持つ弁護士達が手弁当で参加しています。
裁判は長期化が予想されるほか、自治体や後ろに控える国も第1級の弁護士の配置など、最大限の取り組みをしてくることが想定されます。これを、私たち市民の常識、そして知恵と経験、さらに熱意のこもった支援で、この訴訟を成功させましょう。
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