カスリーン台風が再来しても八ッ場ダムは要らない証拠 

「八ッ場ダム住民訴訟6年目の決算書-カスリーン台風が再来しても、八斗島地点毎秒一万6750万m3だから八ッ場ダムは要らない」

国土交通省は、カスリーン台風が再来した場合、利根川の洪水基準点「八斗島」を毎秒2万2000m3の洪水(基本高水)が襲うから、八ッ場ダムなど上流のダム建設が必要としてきました。
ところが、裁判の過程で、同台風が再来しても、現況では国交省の計算であっても毎秒1万6750m3しか流れないことがわかりました。八ッ場ダムの主目的の一つである「治水」の根拠が覆されたのです。
このことを多くの人に知っていただくために、八ッ場ダムの治水上の不要性にテーマを絞り、小冊子が弁護団により発行されました。
最近、馬淵国交大臣は「基本高水の計算データが確認できなかった」として、その再計算を指示しました。
2万2000m3がなぜ虚構の数字であるのか、この小冊子に簡潔に、スリリングにまとめられています。是非、ダウンロードしてご一読ください。(A4で12頁です)

「八ッ場ダム住民訴訟6年目の決算書-カスリーン台風が再来しても、八斗島地点毎秒一万6750万m3だから八ッ場ダムは要らない」



「法廷へのご案内」
八ツ場ダム住民訴訟弁護団団長 高橋利明
「住民訴訟スタートにあたって」
「八ッ場ダム裁判の現状」(2006年5月1日)
嶋津 暉之(八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会代表)

首都圏全体に広がった八ッ場ダムNo!の声。脱ダム運動の集大成ともいえる八ッ場ダム住民訴訟がスタートしました。一都五県の住民訴訟に取り組むのは、 2004年夏に発足した「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」。代表の嶋津暉之さんは、わが国脱ダム運動の理論的支柱ともいえる存在です。1960年 代、地元の"八ッ場ダム反対闘争"に衝撃を受けた嶋津さんは、それから今日まで、"水"を巡る「都市」と「水源地」のあり方を問い続けてきました。

詳細はこちらをご覧ください
八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会

八ッ場関連ブログ記事あれこれ 

大野ひろみブログより
自殺者まで出した自らの不始末を八ッ場ダムに責任転嫁した大沢知事の「八ッ場ダム必要説」↓↓↓
八ッ場ダム: 前橋市の洪水の真相はこれだ! 2009/10/30

まるで鵜飼の鵜匠と鵜?!
「八ッ場ダムがなければ利根川が洪水の時はどうするんだ!」
国交省の説明を丸呑み鵜呑みにバタつく1都5県の知事+利根川流域の首長さんたち↓↓↓
八ッ場ダムなくとも、洪水は防げる! 2009/11/04

なるほど
鵜匠→国交省
なか乗り、とも乗りなど同乗者→八ッ場関連天下り官僚
鵜→1都5県の知事たちをはじめ、利根川流域の首長たち
鵜飼

八ッ場ダム、予算の7割使って、できているのはたった2割強!
付け替え国道の完成割合は6%、付け替え県道については2%・・・
2004年(平16) 9月、事業費2110億円が4600億円に増額。 更なる増額なくしてダム工事恵贈はありえないだろう。↓↓↓
八ッ場ダム:現地を訪れました

青山貞一氏が報道番組のあり方に警鐘
情報番組の呆れた実態、テレ朝の八ッ場ダム報道 2009/11/09

晴彩のブログ
水没の土地、東京の不動産会社が取得していた
産経新聞の八ッ場ダム報道は評価する 2009/11/01

JCAST テレビウォッチ[元木昌彦の深読み週刊誌]
八ッ場ダム「補償」のお値段 ポストが報じた「82倍の値」
 2009/10/ 8

「八ッ場ダム建設事業に関する1都5県知事共同声明」の事実認識の誤り 

「八ッ場ダム建設事業に関する1都5県知事共同声明」の事実認識の誤り

1 利根川の河川改修を長年進めてきたにもかかわらず、カスリーン台風と同規模の洪水の来襲で被害が大きく拡大するという不可解な話。

知事共同声明
現時点でカスリーン台風と同規模の洪水が発生した場合には利根川の至る所で堤防が決壊する可能性があり、国土交通省の試算によれば、カスリーン台風時と同様に埼玉県大利根町で利根川の堤防が決壊した場合の想定被害額は34兆円にも達する。

共同声明の誤り
共同声明の参考資料には図1が示されている。それによれば、カスリーン台風による当時の氾濫面積は440km2で、同規模の洪水が発生した場合は氾濫面積が530km2に拡大し、想定被害額が34兆円に達するというのである。
しかし、この話は少し考えれば不可解な話である。昭和22年のカスリーン台風来襲のあと、同じような被害を繰り返さないために、利根川では堤防嵩上げや河床掘削などの河川改修が延々と行われてきた。それにもかかわらず、同規模の洪水が来ると、氾濫面積がむしろ拡大してしまうというのである。昭和22年のあと、延々と行われてきた河川改修の成果はどこにいってしまったのか。氾濫面積がむしろ拡大するということは、河川改修の成果がゼロどころかむしろマイナスであることを意味する。
なぜそのように不可解な計算結果になるかといえば、それは、氾濫しやすい条件を設定して計算をしたからに他ならない。現実と遊離した机上の計算の結果に過ぎないのである。
図1は国交省が計算して作成したものだが、国交省の役人は利根川の氾濫を防ぐために河川改修に力を注いできた先輩たちの苦労をどう思っているのだろうか。先輩たちの長年の苦労を否定するような計算結果を示し、知事たちがそれを疑うことなく、真に受けているのである。
カスリーン台風の実績のピーク流量は公称毎秒17000m3とされ、同台風が現在再来した場合のピーク流量は国交省によれば、毎秒16750m3であるから(上流部での氾濫とダムの洪水調節があるから毎秒22000m3ではなく、16750m3になると国交省が説明)、ほぼ同じ流量である。利根川の河川改修を長年進めてきたのに、ほぼ同じ流量で決壊して氾濫面積が大きく拡大することはありえないことである。

1都5県知事共同声明の事実認識の誤り
1都5県知事共同声明の事実認識の誤り

実際に、国交省が決壊箇所としている(河口から)136km地点について最近50年間で最大洪水である平成10年9月洪水の最高痕跡水位をみると、図2のとおり、堤防の天端から約4mも下にあるから、それから考えても、カスリーン台風の再来で決壊するようなことはありえないことである。決壊はあくまで国交省の机上の計算によるものなのである。


2 利根川堤防の漏水は堤防の補強で防止すべきことであって、八ッ場ダムにその防止効果を期待するのは非科学的である。

知事共同声明
カスリーン台風ほどの大規模な洪水ではない近年の洪水においても、利根川の堤防や堤防下の地盤からの漏水が至る所で発生している。幸いにも水防団による懸命の水防活動により事なきを得ているが、これらの漏水はそのまま放置すれば堤防決壊につながる可能性がある非常に危険な現象である。

共同声明の誤り
利根川の堤防や堤防下の地盤からの漏水の発生は堤防が決壊する兆候でもあるので、緊急にその対策を講じなければならないことは言うまでもない。しかし、それは堤防とその地盤を補強して対応すべきことであって、八ッ場ダムに堤防漏水の防止を期待するのは筋違いであり、非科学的である。

図3は平成13年9月洪水において堤防の漏水が問題になった加須市付近の利根川横断図の模式図である。この洪水で八ッ場ダムがあった場合の八斗島地点での最高水位の低下を八ッ場ダム予定地近傍の岩島地点の観測流量から計算すると、最大で見て10cm程度である。加須市付近の同洪水の最高水位は同図のとおり、堤内地(堤防の外側)の地盤高から約4mの高さにある。漏水量は洪水位と堤内地盤高の差に比例すると考えられるから、八ッ場ダムによる水位低下を加須市付近でも10cmとすれば、それによる漏水減少率は0.10m÷4m=3%に過ぎない。そのわずかな漏水の減少を期待して何の意味があるのだろうか。知事たちは、堤防からの漏水を防ぐために堤防を補強することをなぜ、真っ先に考えないのであろうか。
知事たちが都県民の生命と財産を守るために、洪水の氾濫を防ぐことを真剣に考えているならば、堤防の補強対策の早急な実施を国に求めるところであるが、それをせずに、筋違いの八ッ場ダムの完成を求めるのは、知事たちが都県民の生命と財産を守ることにさほどの重きをおいていないことを示している。

1都5県知事共同声明の事実認識の誤り

3 暫定水利権は長年取水し続けているもので、実質は安定水利権と変わらないものであるから、国交省の水利権許可制度の改善で解消することができる。

知事共同声明

利水に目を転じてみると、関係都県では、水需要に対し、完成しているダム等のみでは安定的に供給できないため、八ッ場ダムに参画することを条件に、毎秒10.93立方メートルの暫定水利権を既に取得し給水している。
 暫定水利権は、河川に水が豊富なときにのみ取水が可能となる不安定な権利である。

共同声明の誤り
八ッ場ダムの暫定水利権といっても、実質は安定水利権と変わることなく、長年取水し続けているものである。例えば、埼玉県水道が持つ八ッ場ダムの暫定水利権は表1のとおり、古いものは37年間も取水し続けている。その間、取水に支障を来たしことがない。
八ッ場ダムの暫定水利権は、八ッ場ダムがなくても取水し続けることが可能なのであるから、安定水利権として認めればよいのだが、利根川の水利権許可権者は国交省で、八ッ場ダム建設の事業者も同じ国交省である。国交省は、水利権許可権をダム事業推進の手段に使っていると言っても過言ではない。暫定水利権の問題は、実態に合わない非合理的な水利権許可行政を改めれば解消されることである。

1都5県知事共同声明の事実認識の誤り


4 首都圏は最近は水余りの状況を反映して渇水の影響を受けにくくなっているし、平成8年の渇水も生活への影響は小さなものであった。

知事共同声明
 実際、首都圏の水需要の大部分を依存している利根川水系では、平成に入って以降において6回もの渇水に見舞われ、中でも平成8年には夏冬合わせて117日もの長期の取水制限が実施されている。
 
共同声明の誤り
利根川水系では平成に入ってから6回もの渇水に見舞われたというけれども、給水制限は給水圧の調整にとどまり、断水にはほとんど至っていないから、生活への影響は小さなものであった。最も最近の渇水である平成13年渇水は取水制限が実質わずか5日間で終っており、利根川水系では最近十数年間は渇水らしい渇水を経験したことがない。
さらに、最近は水需要の減少と水源開発の進捗で、各都県とも水余りの状況になってきているから、渇水があってもその影響を受けにくくなってきている。たとえば、東京都水道は保有水源を正しく評価すれば、図4のとおり、現在、約200万m3の余裕水源を抱えているから、八ッ場ダムによって新たな水源を確保する必要性は皆無となっている。

1都5県知事共同声明の事実認識の誤り

5 夏期の渇水時における八ッ場ダムの役割は小さく、また、平成8年渇水で八ッ場ダムがあれば、取水制限日数を100日短縮できたという話は現実を無視した架空の計算によるものに過ぎない。

知事共同声明
 (平成8年の取水制限において)仮にその時に八ッ場ダムが完成していたとすれば、取水制限日数を100日減少させることができる。

共同声明の誤り
渇水が起きることがあるのはほとんど夏期である。夏期において八ッ場ダムは洪水調節のため、水位を大きく下げるので、利水容量が2500万m3しかない。これは利根川水系にある11基の既設ダムの夏期利水容量約4億5千万m3に対して約5%にしかならず、八ッ場ダムができても、渇水に対する利根川の状態がさほど変わるわけではない。
平成8年渇水において八ッ場ダムがあれば、取水制限日数を100日短縮できたという計算結果を国交省は示しているけれども、その計算根拠資料を情報公開請求で入手したところ、次に述べるように現実を無視した架空の計算によるものであることが明らかになった。
① 八ッ場ダムを渇水対策専用ダムに変更
利水に関しては東京都水道や埼玉県水道などの水利権を開発するという目的は放棄して、八ッ場ダムを専ら渇水対策専用ダムに使うことにしており、ダムの目的を大きく変更している。
② 八ッ場ダムの貯水量が取水制限前までは常に満水という仮定
取水制限に入るまでは八ッ場ダムの貯水量が満水に維持されるという仮定をおいて計算している。実際のダムの貯水量は雨の降り方によって増減を繰り返すものであるにもかかわらず、八ッ場ダムの貯水量は取水制限前までは常に満水に維持されている。
③ 9ダムの貯水量を合算で計算(八ッ場ダムで補給できない地点も八ッ場ダムで補給することに)
ダムの運用計算は各ダムごとに行うべきであるにもかかわらず、八ッ場ダムを含めて利根川水系9ダムの貯水量を合算して計算しているため、八ッ場ダムで補給できない地点(たとえば利根川上流の岩本地点)まで八ッ場ダムから補給することになるという現実無視の計算になっている。

以上のとおり、この計算は国交省が八ッ場ダムの有効性を示すために形振りかまわず、現実を無視して行ったものに過ぎない。


 以上述べたとおり、「1都5県知事共同声明」が八ッ場ダムの建設を求める論拠は事実認識の誤りによるものであって、八ッ場ダムは治水・利水の両面で必要性が失われている。
 八ッ場ダムの不要性を繰り返せば、
 利根川に対する八ッ場ダムの治水効果は小さく、一方、利根川は河川改修の積み重ねにより、ほとんどのところは大きな洪水を流下できる能力をすでに有しているので、八ッ場ダムのわずかな治水効果は意味を持たなくなっている。
 ただし、堤防の脆弱性の問題が残されているので、利根川の堤防の強化対策を早急に実施する必要がある。
 首都圏の都市用水の需要は最近はほぼ減少の一途を辿るようになっている。一方で、ダム建設等の水源開発の進捗で各都県とも十分な保有水源を確保してきているので、水余りの状況になってきており、新規水源を開発する必要性は皆無となっている。
 八ッ場ダムの暫定水利権は長年取水し続けているもので、実質は安定水利権と変わらないものであるから、国交省の水利権許可制度の改善で解消することができる。

 1都5県の知事は以上の事実を踏まえて、八ッ場ダムについて合理的な判断を行うべきである。



「八ッ場ダム建設事業に関する1都5県知事共同声明」について(東京都HPより)
平成21年10月19日
都市整備局
 本日、東京都知事、埼玉県知事、千葉県知事、茨城県知事、栃木県知事、群馬県知事による「八ッ場ダム建設事業に関する1都5県知事共同声明」が別紙のとおりありましたのでお知らせいたします。

八ッ場ダム建設事業に関する1都5県知事共同声明(PDF形式:95KB)


6都県知事が中止撤回の共同声明 八ツ場ダムを視察
(朝日新聞 2009年10月19日)
 群馬県の八ツ場(やんば)ダムを巡り、建設推進を求める東京都など6都県の知事は19日、建設中止を白紙撤回するよう前原誠司国土交通相に求める共同声明を発表した。27日に前橋市で開く関東地方知事会に前原国交相が出席し、中止理由を説明するよう求めるという。

 声明を発表したのは、ダム建設で受益地となる東京都の石原慎太郎、埼玉の上田清司、千葉の森田健作、茨城の橋本昌、栃木の福田富一、群馬の大沢正明の6知事。この日、水没予定だった群馬県長野原町で、住宅の代替地などを視察した後、地域住民の代表らと意見交換した。

 共同声明では、「代替案を示さずに建設中止を表明したのは無責任」と批判。「ダム湖を中心とした生活再建を切望する地元住民の意向を無視する姿勢は、新政権の『国民の生活が第一』との方針に矛盾する」として、住民が納得する生活再建策の青写真を年内に示すよう求めている。

 前原国交相は6知事に手紙を出し、中止の理由やダムに頼らない治水策について、直接、説明する場を設けるよう求めていた。これに対し6知事は、今月27日に予定されている関東地方知事会への前原国交相の出席を提案しているという。これを受けて前原国交相は19日夕、「その日になるかは別にして、とにかく1都5県の知事さんとはぜひお会いしたい」と述べた。


八ッ場劇場--エキストラにもなれない?「ホンモノの」地域住民 

「ダム完成は住民の悲願」、全ての住民がダム完成を望んでおり、建設中止は住民の心を踏みにじる惨い仕打ちだ!と言う涙のドラマが、町議&県議監督主演の八ッ場劇であることが明るみに出るにつれ、今までは声も届かず姿も見えなかった住民たちが、実は充分な情報を与えられぬまま、推進派の都合良いように利用されてしまったかも知れない図が浮かんできた。
こうして見ると、ダム推進派が戸惑う町民に正確な情報を提供せぬまま、「何が何でもダムを造らないと、この村は破滅」と思い込ませているのでは、と勘ぐってしまう。
今後は徐々に「ダム建設反対」住民の声が出てくるだろう。
「八ッ場劇場」はまだまだ目が離せない。

八ッ場ダム建設
自称「住民」町議が中止反対を煽っていた(週刊金曜日/金曜アンテナ 2009/10/2)

 新国土交通大臣の八ッ場ダム中止宣言を巡る報道が過熱。その裏で、ご当地の群馬県長野原町議会に、報道されない対照的な二人の町議がいる。
 一人は中止宣言の翌日、九月一七日に同町議会に提案された「八ッ場ダム建設事業の継続を求める意見書」に、「生活再建については賛成。しかしダム本体着工については取り除いていただきたい」と異議を申し立てた牧山明町議である。町議会が推進に転じて以来、初のダム反対だ。「町民の一定数は反対。その声を今代弁しなければ。“村八分”も誤解もあるだろうが覚悟の上」と心境を語る。

 もう一人は、前述の意見書を共同提案した議員の一人。テレビ報道にたびたび登場し、ダムを見下ろす先祖の墓前で「住民」として「ダム完成は住民の悲願」とコメントする星河由紀子町議である。議会後、町議でありながらテレビ出演で「住民」を標榜する理由を尋ねると、「議員として言えば議員全体の考えになってしまう」と弁解。各議員の意見が違うことぐらい視聴者は分かると言えば「深く考えなかった。ウッカリしていた」と応じる。
 同議会では、九月一〇日に「八ッ場ダム推進協議会」が、ダム完成を求める署名を「『住民』発議」で始めたと報告された。しかし経緯を聞くと、「突然の中止明言にどう行動を取ったらいいのか分からない住民が相談し、萩原渉県議の考えで集めることになった」と星河町議は述べた。
「住民」を標榜する町議や県議が暗躍する中、九月二三日に前原誠司国交大臣が町を訪れた際には、ホンモノの住民は、いつどこに大臣が来るのかを知らされず一方的に「意見交換会の中止」を告げられた。「ダム中止反対」住民報道の一角には少なからず演出が混じっている。

まさのあつこ・ジャーナリスト


◆牧山 明
1957年群馬生まれ。農業者大学校(東京都多摩市)、アメリカでの農業
研修をへて八ッ場ダム水没予定地の上流に位置する長野原町の応桑地区狩宿
(浅間山麓)で家業の酪農業を営む。現在、長野原町会議員、あがつま農協
理事などを務める。

八ツ場ダム事業の一都五県における検証と政策転換を求めるアピール 

10/18開催 八ッ場ダム徹底検証緊急集会参加者一同による
【八ツ場ダム事業の一都五県における検証と政策転換を求めるアピール】

私たちはいま、不思議な光景を目の当たりにしています。

2001年、八ツ場ダムの完成予定は2000年から2010年に延長されました。
一都五県は国交省の提案に従いました。
2004年、今度は事業費が2110億円から4600億円に増額されました。
あまりの事態に一都五県は「これ以上完成が遅れたら、ダムの必要が無くなるかも知れない」と非公開の協議会で話し合いました。
2007年、再び工期は延長され、完成予定は2015年になりましたが、3年前の話し合いには口をつぐんでまたしても従いました。

こうして半世紀を越えた八ツ場ダム事業には、二つの致命的な問題がありました。
一つは、首都圏の都市用水の需要が10年以上前から減少の一途をたどり、利水の必要性が失われたこと。
もう一つは、治水効果の異常な低さです。八ツ場ダム計画の契機となったカスリーン台風でさえ、再来しても効果はゼロ。国交省の想定通りの雨量がダム集水域に降った2001年9月の台風15号、2007年9月の台風9号でも、八ツ場ダムがなくても下流に被害がでなかったこと、また、過去50年間で最大の洪水(1998年9月)でも、その効果は、最大13㎝の水位を下げるだけで、このときの最高水位は堤防の天端までに約4メートルもの余裕があることも分かりました。

八ツ場ダムの必要性は、時代と共に失われ、事実(ウソとホント)が隠されていたのです。
さらに、八ッ場ダムは、かけがえのない自然を喪失させ、貯水池周辺で地すべりを誘発するなど、様々な災いをもたらすダムであって、子孫に大きな負の遺産を残すものです。

私たちは、2004年に一都五県で住民訴訟を提起し、裁判を通じてこうした事実を明らかにしてきました。
一都五県の支出は違法であると訴え、その支出を返還するよう求めてきました。
時として自治体の政策判断を「違法」と断じる力をもちえない司法の限界を感じながらも、真実の力に希望を託し、事実を明らかにすることに力を注いできました。
一方で、一都五県のやってきたことは、地方自治法で「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない(2条14項)」とされた自治体の本分を忘れ、独自の検証を怠り、国交省の説明を鵜呑みにして従うことだけでした。

ところが今、知事達は新政権の「政策判断」に対し、八ツ場ダム事業を止めるのであれば、自治体が払った金を返還せよと訴え始めています。
国交省の判断に従ってきた自らの政策判断とその責任を棚に上げ、国の責任を問うています。
自治体の「政策判断」と「支出」は誤りであると知事達を訴えた私たちから見れば、不思議な光景です。
政権が交代した今こそ、一都五県は、旧政権下において隠された事実に基づいて改めて八ツ場ダム事業を検証し、過去の政策判断を見直すべきです。

必要性の喪失が明らかなダムにさらなる税金を費やすか、より必要とされる政策実現に振り向けるかの、自治体としての責任は、今大きく問われています。
私たちは、この集会を一つの契機に、一都五県における八ツ場ダム事業の再検証と政策転換を求めます。

2009年10月18日  八ッ場ダム徹底検証緊急集会参加者一同